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「まつき内科クリニック」|名古屋市昭和区御器所

2011年(平成23年)5月に名古屋市の御器所に開業したクリニックです。内科治療を中心に、糖尿病専門外来、禁煙外来、花粉症外来を行っています。
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インスリンのはたらき

インスリンのはたらき


糖尿病は、すい臓から分泌されるホルモン、インスリンが不足する、あるいは作用が不十分なために
血糖値が高くなる
病気です。
今回のテーマは、血糖のコントロールにとても大事な、インスリンのはたらきについて、です。

クルマがガソリンを燃料にして動くように、ヒトの体は血液中のブドウ糖を燃料にして動いています。
食事からとったブドウ糖が血液中に溶け込んで全身に運ばれることでエネルギーとして働き、
私たちの脳や筋肉、内臓が動いて生命が維持されます。

図1

この血液中のブドウ糖のことを、「血糖」といいます。
血糖は食事をすると増え、1~2時間をピークに減っていきますが、
いろいろな血糖調節ホルモンによってバランスよく調節されていて、
いつも一定の幅の中で保たれています。

血糖調節ホルモンのうち、
血糖を上げるホルモンは
グルカゴン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモン、カテコラミンなど多数あります。
一方、血糖を下げるホルモンはインスリンだけです。

インスリンは、すい臓のβ細胞でつくられています。
食事によって血糖値が上がる(血糖の量が増える)と、
すい臓のβ細胞から、すぐにインスリンが分泌されます。

図2

血糖が全身の臓器にとどくと、インスリンの働きによって
細胞は血糖をとり込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、
さらにタンパク質の合成や細胞の増殖を促したりします。
こうして、食後に増加した血糖はインスリンによって速やかに処理され一定量に保たれるのです。

図3

インスリンが不足、もしくは出ているが作用しない状態(つまり糖尿病の状態)では
ブドウ糖が細胞に入らないので血液にブドウ糖が余って(ダブついて)しまい、
血糖値が高くなってしまいますし、エネルギーも足りない状態になってしまいます。

図4

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[ 2011/06/28 05:52 ] 糖尿病 | TB(0) | CM(0)

禁煙外来2

 前回、「もうすぐ禁煙週間」の内容でブログを更新しましたが、あっという間に禁煙週間が終了してしまいましたー。禁煙週間中、「まつき内科クリニック」にも禁煙外来についてのお問い合わせを数多くいただき、実際に禁煙プログラムにとりくみはじめた方が何人かみえました。タバコのからだへの悪影響は以前より指摘されてきましたが、最近のタバコの値上がりや石原軍団のCMの影響のおかげで、世の中の禁煙に対する意識も急上昇してきているのではないでしょうか。今後も、ひきつづき「まつき内科クリニック」では、禁煙したい方々を応援していきます。

 今日は次の内容をお伝えします。
  1)病院・診療所で禁煙外来で禁煙することの意義
  2)禁煙補助薬を使用した禁煙外来の実際

禁煙外来で禁煙することの意義 
内容的に前回とすこしかぶりますが、
「病院・診療所で行なう禁煙」には次のような効果が期待でき、おすすめです。

●タバコに含まれるニコチンのために、自力で禁煙することはなかなか困難ですが、禁煙治療の利用により禁煙が容易にできます。
●禁煙治療の本質はニコチン依存症という病気の治療であり、喫煙者を薬物依存から解放することができます。
●禁煙によって肺がんをはじめ多くの喫煙関連疾患を予防することができます。
●すでに喫煙に関連する疾患を有している患者に対しても、禁煙することによって、その病気の進行を抑えたり予後を改善する効果が期待できますし、別の喫煙関連疾患を新たに発症するリスクを抑えることができます。
●禁煙した患者個人のメリットだけにとどまらず、家族をはじめ周囲の受動喫煙のリスクの低減効果や子どもの喫煙開始を減らす効果も期待できます。
●禁煙治療の健康に対する有益性、その効果、さらに費用対効果については確固たる科学的証拠があり、その普及により、社会全体として、喫煙の健康被害の防止や健康改善、医療費の削減等の効果が期待できます。

禁煙補助薬―次の2つに大別できます。
 ①ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ニコチンガム)、②バレニクリン(チャンピックス®)。
 禁煙成功率がいいのはチャンピックスです。

禁煙補助薬2

禁煙補助薬の副作用2

チャンピックス®(一般名バレニクリン)の作用機序:
バレニクリンは、ニコチン受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)の部分作動薬であり、
2つの作用により禁煙効果を発揮します。

まず、タバコ煙に含まれるニコチンは脳内のα4β2ニコチン受容体に結合すると、ドパミンが多量に放出され快感が生じます。
禁煙治療補助薬、バレニクリンを内服すると、バレニクリンがニコチンを遮断(拮抗作用)し、少量のみドパミンを放出します(作動薬作用)。バレニクリンを一定期間継続することで、タバコ無しで過ごせるようになります。

チャンピクス機序

院長 松木孝
[ 2011/06/08 23:02 ] 禁煙 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

matki

Author:matki
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名古屋市昭和区に、
2011年5月18日開業した
「まつき内科クリニック」院長です。

風邪などの治療はもちろん、
特に糖尿病の治療に力を入れていきます。