前回、「もうすぐ禁煙週間」の内容でブログを更新しましたが、あっという間に禁煙週間が終了してしまいましたー。禁煙週間中、「まつき内科クリニック」にも禁煙外来についてのお問い合わせを数多くいただき、実際に禁煙プログラムにとりくみはじめた方が何人かみえました。タバコのからだへの悪影響は以前より指摘されてきましたが、最近のタバコの値上がりや石原軍団のCMの影響のおかげで、世の中の禁煙に対する意識も急上昇してきているのではないでしょうか。今後も、ひきつづき「まつき内科クリニック」では、禁煙したい方々を応援していきます。
今日は次の内容をお伝えします。
1)病院・診療所で禁煙外来で禁煙することの意義
2)禁煙補助薬を使用した禁煙外来の実際
禁煙外来で禁煙することの意義 内容的に前回とすこしかぶりますが、
「病院・診療所で行なう禁煙」には次のような効果が期待でき、おすすめです。
●タバコに含まれるニコチンのために、自力で禁煙することはなかなか困難ですが、禁煙治療の利用により禁煙が容易にできます。
●禁煙治療の本質はニコチン依存症という病気の治療であり、喫煙者を薬物依存から解放することができます。
●禁煙によって肺がんをはじめ多くの喫煙関連疾患を予防することができます。
●すでに喫煙に関連する疾患を有している患者に対しても、禁煙することによって、その病気の進行を抑えたり予後を改善する効果が期待できますし、別の喫煙関連疾患を新たに発症するリスクを抑えることができます。
●禁煙した患者個人のメリットだけにとどまらず、家族をはじめ周囲の受動喫煙のリスクの低減効果や子どもの喫煙開始を減らす効果も期待できます。
●禁煙治療の健康に対する有益性、その効果、さらに費用対効果については確固たる科学的証拠があり、その普及により、社会全体として、喫煙の健康被害の防止や健康改善、医療費の削減等の効果が期待できます。
禁煙補助薬―次の2つに大別できます。
①ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ニコチンガム)、②バレニクリン(チャンピックス®)。
禁煙成功率がいいのはチャンピックスです。

チャンピックス®(一般名バレニクリン)の作用機序:バレニクリンは、ニコチン受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)の部分作動薬であり、
2つの作用により禁煙効果を発揮します。
まず、タバコ煙に含まれるニコチンは脳内のα4β2ニコチン受容体に結合すると、ドパミンが多量に放出され快感が生じます。
禁煙治療補助薬、バレニクリンを内服すると、バレニクリンがニコチンを遮断(拮抗作用)し、少量のみドパミンを放出します(作動薬作用)。バレニクリンを一定期間継続することで、タバコ無しで過ごせるようになります。

院長 松木孝
スポンサーサイト